「布引公園の災害史を歩く」を実施しました

 平成31年2月2日(土)に布引公園の昔のゴルフコースと42年豪雨災害の歴史をたどりウォーキングするイベント「布引公園の災害史を歩く」を実施しました.
 当日は,晴天に恵まれ,定員を若干上回る参加がありました.午前に,今回のイベントの概要説明の後,布引公園の計画と実施に携わった小森正幹さんが当時の経緯を振り返りお話しいただき,次にブラタモリでも説明されていた觜本格先生に六甲山と災害についてのお話をしていただきました.

小森さん              觜本先生

 午後,コース図解説書を片手に,旧ゴルフ場のいくつかのコース跡や斜面の大崩壊の場所,そして市ケ原の旧集落跡を歩き,布引貯水池の水道施設も,これもブラタモリで登場した松下眞さんの解説で見学しました.

ブラタモリ登場のお二人が説明

 布引貯水池のすぐ近くの山肌は,布引断層の断層面が見事にみられる場所で,觜本先生の解説をお聞きしました.

 最後にロープウエイ中間駅の東広場へ.ここは18番ホールのあったところです.
 以上で,この日の予定コースをみんなで歩くことができました.昔のゴルフコースを探し,集落の跡を見,神戸市の水道の原点という場所を訪れ,また,断層や花崗岩を観察して六甲山の災害を考えるという非常に興味深いハイキングになりました.関係者の皆様,ありがとうございました.なお,このイベントは兵庫県の「県民連携事業補助金」をいただいています.

コースの各ポイントでの見どころ

 コース図と解説書があれば,だれでもそのコースを見て歩くことができます.(ただしコース図の番号の①,②,③は通常は入場ができません)以下,各コースの見どころです.番号はコース図の番号です.
 容量が大きいのでリンクからダウンロードしにくい場合は直接下記URLへ
   コース図 http://k-tec117.sakura.ne.jp/wp/wp-content/uploads/2019/02/nunobki-coursemap-A3.pdf
 解説書 http://k-tec117.sakura.ne.jp/wp/wp-content/uploads/2019/02/nunobiki-description.pdf

ハーブ園の北側からハイキングコースに出ることができます.しばらく14番のコース沿いに歩きやがて尾根筋を北へ.山道が終わり、少し広くなった箇所.右手の斜面地は表土が殆どなくなっています.切土法面と思われます.90度に曲がる箇所正面に12番のフェアウェイがあったものと思われます.(出口から④まで約400m)

7番コース当たり.この辺が平地であることから,計画当初,スポーツ系の広場というような案もあったようです.また,この辺は堆積土の多い箇所です.(④~⑤約300m)

兵庫県施工の砂防ダムが見えます.(銘板がある)この砂防ダムは昭和36年の航空写真に写っていることから昭和42年水害の前に存在していました.ただ,昭和23年の航空写真には写っていませんので戦後の施工であると考えられます.(⑤~⑥約300m)

⑥~⑦の右側は,斜面の大崩壊に襲われた市ケ原集落の跡です.説明板もあります.このあたりに集落ができた経緯は防災リテラシー研究所のホームページに紹介されています.フェンスの左手に入ると斜面の下端,9段の段差工の一番下に出ることができます.そこから少し下って集落の方を市ケ原に向かう道に少し戻ると説明板があります.(⑥~集落看板まで約300m)

市ケ原集落の説明板の前で

布引貯水池に砂が入り込まないように分水工をしている箇所にでます.説明板があります.(集落看板から⑧まで約800m)

布引断層の露頭があります.断層粘土もはっきりしています.手前には断層の解説版もあります.(⑧~⑨約800m)

布引断層 断層面がはっきりと見える

中間駅まで小さなお社の横の急坂を上がっていきます.中間駅の東側にでるとそこが最終ホール18番です.クラブハウスは,1番と18番の南側,中間駅の付近にあったもよう.(⑨~⑩まで約500m)

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